「愛国者」「愛国心」:A. ビアス『悪魔の辞典』

愛国者[名詞] 全体の利益より部分の利益が優先すると考える人。政治家のカモ、征服者の手先。愛国心[名詞] 自分の名前に光を当てようとする野心家が使うランプの燃料にうってつけの可燃ゴミ。アンブローズ・ビアース『悪魔の辞典』(1911年)PATRIOT, n.…

ウィトゲンシュタイン「対象は無色なのである。」

2.0231 世界の実体が規定しうるのは、ただ形式のみであり、実質的な世界のあり方ではない。なぜなら、世界のあり方は命題によってはじめて描写されるのであり、すなわち、諸対象の配列によってはじめて構成されるからである。2.0232 ひとことで言うならば、…

田中正造カレンダー

「足尾から来た女」(NHK総合)が話題のようですね。 土曜ドラマ「足尾から来た女」|NHKオンライン 道を歩いていたら、こんなものを見かけました。 2014田中正造カレンダー「百年の悔を子孫に傳ふるなかれ」

ナチスの時代と日本の現在の類似点

なぜ、ドイツでかつてナチスがあれほどまでに支持されたのか? この十人の男たち[=ナチス一般党員]は、いわば「弱者(リトル・マン)」であった。[……]「国民社会主義党」を論ずる外国人は大事な点を見落としているといったのは、息子のシュヴェンケだっ…

レイシストとは

レイシストとは レイシズムとは、現実のあるいは架空の差異に、一般的・限定的な価値付けを行うことであり、提唱者の利益のために、被害者の犠牲のもとで、攻撃や特権を正当化するために行われる。アルベール・メンミ『人種差別』(1982年)Le racisme est l…

ジュディス・バトラーのアドルノ賞受賞に、ユダヤ人学者ら混乱(The New York Observer)

ジュディス・バトラーのアドルノ賞受賞をめぐる混乱に関する Observer.com(The New York Observer のウェブ版)の記事を翻訳してみました。私は、バトラーが『ジェンダー・トラブル』Gender Trouble(1990年)で行った、「男/女」「セックス/ジェダー」の…

Power Concedes Nothing Without a Demand.(権力は、要求しなければ何も譲歩しない。)

Power concedes nothing without a demand. (権力は、要求しなければ何ひとつ譲歩しない。)出典:Chris Hedges, "Power Concedes Nothing Without a Demand", Truthdig, March 14, 2011.日本では義務教育課程の社会科の授業で三権分立について学ぶ。しかし…

『資本論』ちょっとづつ(0000):『資本論』を読んでみることにしました。

"All right, we're gonna read all the way through this. I'll start."前まえから、カール・マルクス『資本論』Das Kapital に興味をもっていた。私は別に共産主義者でも社会主義者でもないけれど、いったい何が書いてあるのだろうと興味をもっている。そこ…

クリス・ヘッジスが語る:オバマは「リベラル階級の死」のシンボル(Chris Hedges: Obama is a "Poster Child for the Death of the Liberal Class", Democracy Now!, December 20, 2010)

アメリカの独立非営利放送局「Democracy Now!」で、クリス・ヘッジスが『リベラル階級の死』について語っている。下記サイトで番組動画を視聴できる。インタヴューの書き起こしもあり、ナチュラル・スピードの英語について行けなくても、ある程度の英語の読…

クリス・ヘッジス『リベラル階級の死』第1章 抵抗(5)

20世紀全体から21世紀の初期にかけてのリベラル階級の最大の罪は、権力エリートと熱心に結託し、反逆者・偶像破壊者・共産主義者・社会主義社・アナーキスト・労働組合のラディカルなリーダー・平和主義者たちを沈黙させ、禁圧し、ブラックリストに入れてき…

クリス・ヘッジス『リベラル階級の死』第1章 抵抗(4)

リベラル階級の死が意味するものは、新たな恐ろしい政治的編成の誕生である。これにより、企業国家が、リベラル階級がかつて設定した保護の最後の名残を何の妨害も受けずに根絶やしにすることを許してしまう。公共部門の労働組合——企業国家の猛攻からの唯一…

クリス・ヘッジス『リベラル階級の死』第1章 抵抗(3)

伝統的な民主主義において、リベラル階級は安全弁として機能する。これによって、少しづつ改革を進展させることができる。おかげで、変化への希望が提供され、平等のさらなる拡大へ向けて徐々に歩みを進めることができる。そして、国家や権力メカニズムに美…

クリス・ヘッジス『リベラル階級の死』第1章 抵抗(2)

怒りの感覚と裏切られた感覚——アーネスト・ローガン・ベルや大勢の職のない労働者たちが表現しているのは、これである。これらの感情は、過去30年間にわたってリベラル階級が労働者階級および中産階級の最低限の利益を保護できなかったことから生じている。…

クリス・ヘッジス『リベラル階級の死』第1章 抵抗(1)

クリス・ヘッジス(Chris Hedges)の著書Death of the Liberal Class (Nation Books, 2010)が面白かったのですが、まだ日本語版が出ていないようなので、紹介をかねてとりあえず第1章だけを翻訳してみます。Death of the Liberal Class作者: Chris Hedges出…